小説「水脈を聴く男」2026/03/27 09:49

(ネタバレ注意)ほとんどの登場人物がフルネームで表現されている。しかも長い。登場人物はかなり多いのだが、読み終わってみると、それほど重要でない、ワンポイントでしか登場しない人物もフルネームだ。それから樹木や草花の名も品種名を正確に表現している。最後の方で、主人公が水脈を見つけて再生した地下水路にも一つひとつに名前がつけられていることが示されている。人間ひとりひとり、一木一草、水路のひとつひとつが、かけがえのないものだというメッセージのように見える。もうひとつ面白いのは、水路に閉じこめられた主人公が、最後に助かったのか、助からなかったのかが、どうも明示されていないようなのだ。ア助かった イ助からなかった ウそれ以外(どちらでも良いなど)答えはどれだろう。確信はないが、イ助からなかったと思う。ただ、どちらでも良いという読み方もアリかも。というのが私の考え。